フリーランス翻訳者のための翻訳会社との上手なつきあいかた


フリーランス翻訳者と翻訳会社(源泉徴収関連)


本ページに記載の事項は、時代の流れとともに変化する可能性があります。 また、正確性を保証するものではありません。

Q: 外国人の方でも、源泉徴収は必要なのですか?

A: これは非常にややこしい問題です。

まず翻訳者が外国人かどうかと言うより、国内居住者(国内に居住している)なのか非居住者(海外に居住している)なのかを区別する必要があります。

しかし、日本の国籍を持ったれっきとした日本人だけれども海外生活が長い翻訳者だったり、外国出身だけれども日本での生活が長い翻訳者だったり、複数の国にまたがって活躍している翻訳者の場合、単純に区別がつかないことがあります。 というのも、判断は、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実によって行われるからです。 また、その翻訳者が日本以外で居住国と判断される可能性がある国が、日本との間で租税条約を結んでいる場合、その租税条約で定められた判断基準が適用される場合もあるからです。

判断に困る場合は税務署に相談し、判断を仰ぐことになります。場合によっては両国当局による相互協議が行われることもあるようです。 もし、これが不明確だと、複数の国から所得税を取られる 「二重課税」 が生じたり、納税額が足りずに 「追徴課税」 が生じたりする危険があります。

ちなみに、上記の判断基準の曖昧さにより国税局と納税者の間に解釈の相違が生じる場合があります。 過去、ハリー・ポッター・シリーズの邦訳者である松岡氏が、スイスの永住権を取り、スイスの居住者として税務処理を行っていたが、日本の国税局側としては、日本に滞在している時間的な割合が長く、また、同氏が経営し、かつ、同氏に多額の報酬を支払っている会社も日本にあることなどから、松岡氏はスイスの居住者では無く、日本の居住者(国内居住者)であると認定したことがありますが、それなどは代表例と言えるでしょう。

費目 国内居住者・
非居住者の別
源泉徴収税額
翻訳料・通訳料* 国内居住者 支払金額×10%
ただし、同一人に対して1回に支払う金額が100万円を超える場合には、その100万円を超える部分については、20%
非居住者
又は外国法人
支払金額×20%
源泉徴収の対象とならない費目 源泉徴収によらず自己申告で納税。

* 通訳料は2007年7月1日より適用。 翻訳料・通訳料の他でも源泉徴収の対象となる費目がある。詳細は国税庁より発せられる情報による。

(参考) 源泉徴収とは

本来であれば、収入を得たフリーランス翻訳者が国家に自己申告して払うべき所得税なのですが、日本国に於いては翻訳会社が国家機関に代わりフリーランス翻訳者に支払う翻訳料の中から 10% あるいは 20% (状況により異なる) を徴収し、国庫に納めるシステムとなっています。 尚、フリーランス翻訳者は、これにより所得税を払いすぎている場合が生じますので、払いすぎている分を戻してもらうことができます。 これを還付と言います。 還付は、源泉徴収を行った年の翌年から5年間、税務署で受け付けてもらえます。

※ 例えば、2006年の収入に対して翻訳会社から発行された支払調書(源泉徴収票)の有効期間は2011年12月末までということになります。この期間内に税務署に申告すると税金が還付される可能性があります。

翻訳会社ソリュテック


著作権
本ページおよびウエッブサイトの著作権は
翻訳会社ソリュテックおよびそのライセンサにあります。
コンテンツの無断使用は固くお断りします。
Copyright (c) 2005_SoluTec and its licensors. All right reserved.